銀 龍 物 語 Epi.19 わたしとDragon IP
董事 中国弁理士
鐘 晶
6月、またわたしの誕生日がきました。今回は、Dragon IPという大家族で過ごしはじめてからもう第15回目の誕生日です。Dragon IPの所員が誕生日のとき、温かく祝福してくれるとともに、誕生日会が開催されます。Dragon IPという大家族の温かさ感じさせてくれます。
わたしとDragon IPとの縁を振り返ると、1980年代に遡ります。わたしの最初の職場である専利局に入り、知的財産の知識に触れ、各国の知財法を学習し、中国専利審査制度の全プロセスの構築の仕事に参加しました。
当時の専利局は、まだ立ち上げ時期にあり、わたしが光栄に思っていたことは、中国の第一期の知的財産専門家の指導者の下で仕事ができ、多くの法律、専利審査、専利管理知識を学ぶことができることでした。また、外国で専利審査の研修を受け、その後、中国で専利知識の普及活動にもたずさわることができました。
わたしがはっきりと印象的に覚えていることは、専利局のみなが昼も夜も休まずに仕事に励み、条文ごとに立法の趣旨を深く検討し、専利審査指南と専利操作規定の制定に尽力していたことです。まさにそれらの専門家の専利事業に対する奉仕の精神、真摯な仕事に対する姿勢が、その後のわたしの仕事に対して大きな影響を与えました。それらの専門家の中にDragon IPの董事長である郝慶芬女史がいました。わたしは昔も今も彼女をすごく尊敬しています。
Dragon IPは、董事長である郝慶芬が1998年に設立しました。Dragon IPの発展の過程において専利局の多くの専門家が入所しました。それらの専門家たちのしっかりとした理論的な基礎、豊富な経験、厳しい仕事に対する姿勢は、Dragon IPの優秀な専利代理人、事務管理者を育て、Dragon IPの発展の堅固な基礎を築きました。
わたしは2003年にDragon IPに入所しました。専利局の専利審査官からDragon IPの専利代理人に転身し、仕事の性質、サービス対象のいずれにおいても大きな変化がありました。専利審査官の場合は、SOD(Search、Office action、Decision)、すなわち、文献検索を行い、審査意見を提供し、査定を出すことが重視されます。
専利代理人の場合は、3C(Claims、Comments、Care)、すなわち、明細書(Claims)を作成して発明の権利を保障し、局通知に応答して(Comments)クライアントの権益を確保し、クライアントの依頼事項に対してよりよくより丁寧に対応することが重視されます。わたしが会得したことは、クライアントのために最大の権益を獲得するということが専利代理人のもっとも大事な職責である、ということであり、このことは特に重要でした。
ここで、深く印象に残っている一冊の本について紹介したいと思います。それは、日本の池内寛幸さんの著書である《専利激情在燃焼》(日本の書籍名は『弁理士ただいま仕事中』であり、その中国語訳)です。
2003年当時、専利代理人の具体的な仕事を紹介した書籍は中国にはほとんどなく、わたしは北京の書店でこの本を偶然見つけました。この本では、日本の専利代理人の業務経歴、一人特許事務所が60名の所員を擁する大型特許事務所に発展する過程の経験が記載されていました。
その書店で時を忘れてその本を一気に読み終え、専利代理人という仕事への理解が深まることになりました。特に、その本では、専利代理人には強靭な精神力、コミュニケーション能力、全力を尽くして仕事を美しく完了させる能力が必要であることが述べられており、専利代理人としての基礎的能力および専利代理機構の発展方向を深く理解することができました。
わたしは、Dragon IPに入所して15年になり、忙しく責任が重いのですが、充実しており気持ちよく仕事をさせていただいています。専利代理人の仕事をしていた際には、担当案件についてクライアントのご要望に基づいてスムーズに任務を行なうこと、特にOA応答の際の意見陳述の成功、専利出願が登録査定を受けること、裁判所において勝訴すること、クライアントの利益を最大化すること、これらのさまざまな仕事は、いずれもわたしに成功の喜びをもたらしてくれました。
代理部、出願部において管理責任者の業務を担当していた際には、事務所の管理者層と一緒に、代理の品質を高め、クライアントの維持に力を入れ、事務所の代理品質管理および事務管理が徐々に整っていき、同時にDragon IPの特徴である「強い責任感」、「まじめさ」、「誠実さ」という企業文化が構築されていきました。
わたしがDragon IPに入所したときには所員は40名に満たず、代理案件数も1000件ほどでした。2016年度には、所員数が200名を大幅に超え、代理案件数は10000件を超えました。このことは、各クライアントの皆様から信頼をいただいているあかしであると考えています。また、Dragon IPが星付の専利代理機構に認定された際には、これまでのDragon IPのあゆみを振り返り、感激し、また誇りに思いました。
わたしの次の誕生日には、Dragon IPは設立20周年を迎えています。Dragon IPのこの19年は、みなさまからのお力をいただきながら、所員全員が一緒に力を合わせて全力で走ってきた19年でした。クライアントのみなさま、Dragon IPの関係者のみなさまに感謝の気持ちでいっぱいです。
以上
(銀龍物語Epi.19 おしまい)