銀 龍 物 語 Epi.09 日本ライセンス協会 松山年次大会に参加して
日本部
渡辺彩
先月、2016年度(第39回)日本ライセンス協会 年次大会に参加してまいりました。今年の年次大会は、7/1-2の2日間にわたり愛媛県松山市にて開催されましたが、僭越ながら行事委員として2日間の総合司会を務めさせていただき、非常に良い経験となりました。
今回の年次大会では、大会テーマとして「新しい価値の創造」を掲げており、大会テーマと関連した講演「今治タオルのブランド化の成功要因」「愛媛県炭素繊維関連産業創出事業-産学官連携による炭素繊維加工拠点の形成-」「柑橘成分の抗アレルギー効果とそれを活用した商品開発」や、日本ライセンス協会のワーキンググループによるワークショップ、企業の知財担当者によるパネルディスカッションなど、知的好奇心を大いに満足させてくれるプログラムとなっておりました。また、ポンジュースで有名なえひめ飲料の工場視察見学会やエリエールレディスオープンゴルフトーナメントの会場であるエリエールゴルフクラブ松山での親睦ゴルフ大会もありましたが、行事委員のため参加できず少し心残りでした。とはいえ、空き時間を利用して道後温泉には行くことができたので、身心ともにリフレッシュすることができ、充実した2日間となりました。
ところで、開催地である愛媛県松山市といえば、四国最大の都市であり、弊所が長年にわたりお世話になっているクライアント企業の所在地でもあります(せっかくの機会なのでご挨拶に伺いたかったのですが、日程的に厳しく残念でした)。主な観光名所には道後温泉や松山城があります。文化面では、夏目漱石や正岡子規、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」に登場する秋山兄弟、産業では、高品質で有名な「今治タオル」やえひめ飲料のポンジュースなどが非常に有名です。ちなみに、松山空港では、毎月第3日曜日の10時~14時に都市伝説でもある「ポンジュースの蛇口」が設置され、多くの方が楽しんでいるそうです。
街のシンボル的存在である道後温泉本館(愛称:坊ちゃん湯)は戦前に建築された近代和風建築で、国の重要文化財に指定されており、日本銭湯の代表と言われています。ミシュランガイド(観光地)日本編にも2つ星として掲載されており、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』の舞台にもなっています。
また、夏目漱石は道後温泉本館が完成した翌年に松山中学の英語教師として赴任したとのことですが、本館の建築に感嘆し、頻繁に通っていたようです。小説『坊ちゃん』の中でも「温泉だけは立派なものだ」と絶賛しており、これにあやかり本館は「坊ちゃん湯」とも呼ばれています。それと、私は直接見ることはできませんでしたが、1階の男湯浴室内には『坊ちゃん』の主人公が湯船で泳いで注意の張り紙をされたことにちなんだ「坊ちゃん泳ぐべからず」の札が掲げられているとのことです。暑くて外出もままならない日が続いているので、久しぶりに『坊ちゃん』を読み返してみようかと思います。
以上
(銀龍物語Epi.09 おしまい)