銀 龍 物 語 Epi.02 紅色

日本部
日本語翻訳水平試験2級
任向然







 皆様、こんにちは。

 私は、日本部にて日本クライアントの窓口のお仕事を担当させていただいていますので、私の名前に見覚えのある方もおられるかもしれません。

 私は昨年度、人生の中で最も大きな行事である結婚式をさせていただきました。

 中国の結婚式では、親しい方々が新郎新婦を親しみを込めてからかいながら祝福するイベントを行うのが一般的です。
 例えば、新郎新婦の控え室には、大きさが異なる林檎、梨、葡萄、サクランボが一つずつつながれた紐がつるされています。
 新郎新婦が親戚、友人にお酒をついでまわった後、一息ついて控え室に戻ると、友人たちが待っています。友人たちは、新郎新婦がその果物を大きい方から順に一つずつ一緒に食べることを要望するのです。

 結婚式の日が近づくにつれて、友人たちからの親しみを込めたからかいがはずかしくて、またお酒を飲めない体質(大学生のころ、初めてお酒を飲んで大変な状況になってしまいました)であるため、緊張なのか、憂鬱なのか、はずかしいのか、とにかく早く結婚式が終わって欲しい!!という気持ちでいっぱいになっていきました。

 結婚式では、私のハイヒールが脱げて宴席が盛り上がるなどハプニングはありましたが、結婚式は一応無事に終わり、「有一种死里逃生的感觉,当时就在想,无论如何也不能再有第二次!」(なんとか逃げ延び、そのときを思い出すと第2回は無理!!)という気持ちでした。

 私たちは、6月に結婚の届出をしたのですが、最近のできごとです。

旦那さん:「結婚証をなくしてしまった!!」
 私  :「結婚して半年なのに、何してるの!!もう一度結婚式をさせるつもり!!」
旦那さん:「結婚式の控え室で見た君の紅色のホッペを、もう一度、見たいだけだよ」
 私  :ポッ

 お互いの仕事が忙しいことなどもあり、私たちはまだ新婚旅行に行っていないのですが、日本に行くことを考えています。
 旦那さんは日本の伝統的な結婚式を見てみたいとのことで、私は本の中でしか見たことがないのですが、すごく厳粛な印象を受けました。
 チャンスがあれば、日本の結婚式を自分の目で見て、日本と中国の伝統的な結婚式を比べてみたいです。きっと、それぞれに魅力があるのだと思います。

 そういえば、結婚式が早く終わって欲しいとあれだけ思っていたのに、それに魅力があると感じてしまうなんて、なんだか不思議なものですね。

 最後に、2月2日に日本知的財産協会の「化学系中国語クレーム読解講座」(R41)が開催され、私もアシスタント講師として参加いたします。その頃、昨年度と同様、中国語学習者の集いのような夕食会が開催される予定です。

 その講座または夕食会そのとき、皆様にお会いできることを楽しみにしております。

 本年も宜しくお願いいたします。

 ※この物語の一部はフィクションです。

                   (銀龍物語Epi.02  おしまい)